解決事例

    • 残業代請求

    丁寧に主張・立証を検討した結果、支払額の大幅な減額に成功した事例

    バス会社であるY社では、運転手の長時間労働が常態化していました。
    Y社で運転手として勤務して17年になるXさんは、長年の長時間労働もあって病気になり、働けない状況になってしまいました。
    Y社としては、休職扱いにして手当も支給する意向でしたが、Xさんは、これを拒否して退職し、未払賃金の支払を残業代の支払を求める労働審判手続を申し立ててきました。
    Xさんは、過去17年分の残業代の支払を求めてきましたが、労働債権は2年で時効消滅するため、消滅時効を援用しました。
    また、Xさんが主張する労働時間が不合理であることを、業務記録、日報、タコメーター、車両の整備記録、他の従業員の陳述書等の客観的証拠を洗い直し主張を組み立て立証した結果、支払額の大幅な減額を認める調停が成立しました。

    • 残業代請求

    みなし残業代の主張が認められた事例

    アニメ制作業を営むY社では、編集業務を担当する一部の従業員は、残業が不可避であったため、基本給とは別に、「業務手当」として、月額8万円を支給していました。
    Xさんは、Y社で編集業務を担当していた元従業員であり、退職後しばらくして、残業代の支払を求めてきました。
    Xさんの請求の内容は、「業務手当」に言及なく、定時以降の時間外割増賃金及び深夜割増賃金の支払を求めていました。
    主たる争点は、「業務手当」がみなし残業代に該当するかという点でしたが、弁護士において、Y社の実態に照らして過去の裁判例におけるポイントを的確に検討し、みなし残業代の主張を認めさせることに成功しました。
    その結果大幅に減額となり、当初請求額の3分の1以下の金額を支払うことでよい、とする和解が成立しました。

    • 解雇・退職問題

    労働審判において、合意退職を認める和解により解決した事例

    Y社では、勤務中私語が多い等勤務態度の悪い従業員のXさんに解雇を言い渡しました。
    Xさんから解雇日以降何の連絡もなかったことから、Y社としては、本件は無事に終了したと考えていました。しかしながら、解雇を言い渡してから、2か月ほど経って、突然裁判所から労働審判手続申立書が届いたため、慌てて弁護士にご相談に来られました。
    Xさんの解雇理由である勤務態度が悪い点は解雇権濫用法理に照らすと不十分なものであり、解雇は無効となってしまう可能性が極めて高い状況でした。とはいえY社としては再度雇用する考えはなく、他の従業員に対する影響も考慮し、ある程度の金銭を支払ってでも、Xさんの復職は阻止したい考えでした。
    そのため、Xさんの解雇理由を主張・立証する一方で、第1回期日から和解協議を進める形を採用しました。
    その結果、第3回期日において、Xさんの一定程度の解決金を支払うことを条件に合意退職する内容の和解が成立しました。

    • 解雇・退職問題

    早期の自主退職を実現した事例

    Xさんは、Y社で働いて5年が経過しようという頃に、仕事の悩みやストレスでうつ病にり患してしまいました。
    Y社としては、Xさんを業務上の傷病として療養させており、就業規則に基づいて、半年間は給料の半分が休業手当として支給されていました。
    しかしながら、半年を経過してもXさんの復帰の目処が立たないため、Y社としては、Xさんには辞めてもらうしかないと考えて、弁護士にご相談に来られました。
    業務上の傷病の場合、療養のため休職する期間は解雇できず、またXさんの勤務態度自体には問題がなかったので、懲戒解雇事由にも該当しないので、解雇はできません。
    弁護士は、社内規程(就業規則等)、過去の裁判例等を精査して、仮に審判ないし訴訟となった場合の見通しを綿密に検討し、Xさんに対し、一定の解決金の支払を条件として任意に退職してほしい旨の申し入れを行いました。
    その結果、Xさんは、上記提案を受け入れ、自主退職の形での早期かつ円満な問題解決に至りました。

    • 窃盗・横領問題

    被害金額の全額支払いを実現した事例

    複数のラーメン店を経営するA社で店舗の副店長をしていた従業員X氏が、売り上げ金を着服して横領することを数年間にわたって繰り返していました。
    X氏は、伝票の一部をレジ打ちせず、会社に対して売り上げが実際よりも低いように報告し、差額を横領していました。
    別の従業員が会社に報告し、横領が発覚しました。
    弁護士に依頼する前、A社の方がX氏と話をしましたが、X氏はのらりくらりと言い逃れし、はっきりとした回答が得られませんでした。
    そのため、A社の方が税理士の紹介で当事務所の弁護士に法律相談にいらしました。
    A社は、対応をどうして良いか分からなかったほか、脅迫したと言われることも心配していたため、弁護士がX氏側と話をすることになりました。
    弁護士は、X氏と話をする準備として、まずは過去の売上の推移や現存する伝票、それから他の従業員の話しを陳述書にまとめ、損害額を確定させ、刑事告訴する旨X氏側に連絡をすると、慌てたX氏側の弁護士は態度を一転させ、示談交渉に応じました。
    弁護士同士で数回にわたり交渉をしましたが、当初、金額面での折り合いがつかず、交渉が決裂する可能性もありました。
    結局、X氏側の弁護士がX氏やその家族を説得し、最終的に、警察に被害申告しない代わりにX氏側が被害金額全額を支払うこととなりました。

    • 窃盗・横領問題

    横領額全額を回収し、さらに退職合意を成立させた事例

    Z社においては売り上げが結構あがっているはずなのに会社のキャッシュフローが著しく悪いので、社長は経理担当者の横領を疑っていました。しかし、経理担当者は、帳簿の記載ごと変更していたため、帳簿上横領を発見することが難しい状態でした。弁護士が介入し調査をしたところ、各店舗の売上と経理担当者の作成する帳簿とで2000万円弱の齟齬があることが明らかになりました。根拠となる証拠を十分そろえた上で会社担当者と弁護士で経理担当者に面談したところ、経理担当者は資料を出された時点で弁解を諦め、会社の売上を自身の株式投資の補填に充てていたことを認めました。
    そこで、現時点で明らかになっている横領額の賠償の合意書を作成して横領額全額を回収し、さらに合意により退職させることができました。

    • 労働災害対応

    安全配慮義務違反による賠償を求める訴訟を解決した事例

    工場の機械が故障し、これによって従業員が怪我をして休業し、労災申請をしたところ、労災認定はされたものの、当該従業員は、診断書で認められた期間が過ぎても復職しなかったことから、会社は手続きを踏んだうえで被災従業員を解雇した。
    ところが当該従業員から、休業中に不当に解雇されたとして、解雇無効と安全配慮義務違反による損害賠償を請求する訴訟を提起されたので、会社側は弁護士に相談にみえられました。弁護士が事案を検討し、現在の従業員の体調不良と労災事故とは因果関係がないこと、また会社としては機械のメンテナンスを適切に行っていた事を立証しつつ、和解交渉を進め、最終的には会社側が考えていた金額より低い金額で裁判上の和解が成立しました。

    • 労働災害対応

    従業員が死亡し、会社も協力して労災申請を行った事例

    Z社の従業員が、長時間勤務が続いた後会社で借り上げていたアパートで突然死したので、会社は弁護士に相談しました。労災申請は法的には本人が行うべきですが、会社にも証明義務、助力義務がありますし、そもそも全く協力しないとの態度では無用のトラブルを引き起こすので、協力して労災申請をしました。また、従業員の家族は会社への損害賠償も検討していましたが、弁護士が適切に関与して丁寧に説明することにより、会社が規定通りの退職金を支払う条件で訴訟を行うことなく円満に解決しました。

    • ハラスメント

    セクハラを理由として、会社が損害賠償請求を受けた事例

    Y社の女性従業員であるXさんは、上司のAさんからセクハラ被害を受けたとして、Aさん及びY社に対して慰謝料を求めて損害賠償請求の訴訟を提起してきたので、Y社は弁護士に相談してきました。
    弁護士が、Aさんから事情を聞いたところ、XさんとAさんは不倫交際をしており、何度か食事にいき、その後でホテルに泊まったりしていたが、Aさんが別れ話を切り出したところ、連絡がとれなくなったとのことでした。
    Y社では弁護士と相談しAさんに異動を命じるとともに、懲戒処分としての降格・減給処分を行いつつ、弁護士が訴訟においてXさんとの関係では和解交渉をすすめ、具体的な金額の交渉を行いました。迅速なAさんに対する処分などをきっかけにXさんもY社及び弁護士を信頼してくれ、妥当な金額での円満和解が成立しました。

    • ハラスメント

    パワハラを理由として、会社が損害賠償請求を受けた事例

    HP制作・WEB広告の会社であるY社は、元従業員のXさんから、在職時に上司からパワハラを受けたことなどを理由とする、損害賠償(慰謝料)請求の訴状を受け取ったので、弁護士に相談しました。訴状におけるXさんの言い分では、上司が、作業量が多く遠方の現場の仕事ばかりをXさんに恣意的に割り当て、それが毎日続いたため精神的に追い詰められたということでした。
    弁護士において、Y社の従業員に対する事情聴取、また客観的資料の精査をしたところ、Xさんの言い分はいいがかりであることが判明しました。
    そのため、弁護士は、訴訟において、Xさんの言い分が事実ではないことを裏付ける証拠資料を提示した上で、Y社としては、少額の解決金であれば支払うが、それで納得してもらえないのであれば徹底的に争う意向であると伝えました。
    その結果、Y社の希望通りに和解が成立し、早期に紛争を解決することができました。